大王わさび農場は、広さ15ヘクタールの日本一の面積を誇るワサビ農場。
年間のワサビの生産量は130トン。
1917年に開拓を始め、20年の月日をかけて現在の農場を作り上げたのだそうです。
ワサビとは?
豊富な清流を利用して育つ野草です。
食べれば、ツーンと来る刺激的な味わいが特徴です。
栽培のときに、水温が上がりすぎてしまうと、育成障害を起こしてしまうため、主に高地や寒冷地で育てられます。
葉っぱから花、根の部分まで食べることが出来、鮨、刺し身などの薬味に使われ、和食には欠かせない食材です。
この大王わさび農場では、一日12万トンにも及ぶ北アルプスからの湧き水を利用して、ワサビを栽培しています。
この湧き水はミネラルが豊富で、水温が年間を通じて13度前後のため、ワサビの栽培に非常に適しているのだそうです。
とは言え、ワサビは食用の中心である根茎の部分の生育に時間がかかる植物で、大きく育つためには1〜2年ほどかかるため、
手間のかかる作物であると言えます。
なので(種類にもよりますが)、大きければ大きいほど年を経ているため、値段も高くなります。
ちなみに3年ものというのが一番成長したものなのだそう。私も見たことはありません。
なんといっても水車が見どころ
場内入り口をはいってすぐ左手に「蓼川」が流れています。
その蓼川にかかる水車小屋の風景は、大王わさび農場を訪れたら、ぜひ見ておきたい絶景です。
透明な水と、流れと一緒に揺れ動く水草、そしてゆっくりと回転する苔むした水車。
本当に、見ているだけで時間を忘れられる美しい光景です。
私もテレビの旅番組の撮影で何度かお邪魔しましたが、画になる場所が多すぎて、撮影に時間がかかって仕方なかったです。
この水車、もともとは黒澤明監督が映画「夢」を撮影するときにロケセットとして設置したものなのだそう。
さすが黒澤監督です。いい場所に設置されているんですよ。
撮影終了後に農場が譲り受け、現在までそのまま農場の風景の一部として大切に保全されているのです。
クリアボートもオススメ
ちなみに、大王わさび農場が運行するものではないですが、この蓼川を航行する「クリアボート」体験もあります。
大王わさび農場の横に緑色のテントがあり、そこで受付できます。
上流へと漕ぎ上がり、そのあと川の流れに任せて水車小屋の横まで、そこから再び少し漕ぎ上がりゴールというコースです。
所要時間約20分。
美しい川の流れを間近に見られるので、人気のアクティビティです。
(12歳以上 1200円、6〜11歳 900円、5歳以下 100円)
わさびの加工作業も見られる
場内には、わさびの加工場もあり、年間を通して、収穫したわさびを加工する様子をみることが出来ます。
収穫したばかりのわさびを丁寧にそれぞれの部位に分ける様子を見ることが出来ます。
作業の様子はガラス越しで見ることが出来ます。
ちなみに、この作業はとても辛味が目に染みるそうなので、ガラス越しなのはむしろありがたいポイントです。
わさび漬け体験はお土産付き
わさび漬けとは、生を刻んで塩漬けにしたわさびを酒粕に練り込んだものです。
食事の時に、ご飯の付け合せになります。
これを白いご飯に乗せて食べれば、いくらでも食べられちゃいます。
そして大王わさび農場では、この製造体験ができるんです。
作り方は簡単。
わさびを刻んだら、塩でもんで叩いて、酒粕と練るだけ。
作ったものはそのままおみやげとして持ち帰れます。
食べごろは製造から2〜5日間です。
所要時間 約20分
料金 1030円
時間 10:00〜、11:30〜、13:00〜、14:30〜
(2日前までに予約)
絶対食べたい!ワサビメニューは?
農場内には、レストランやキオスクもあってわさびメニューを食べることも出来ます。
スイーツならば何と言っても、本わさびソフトクリーム360円。
穫り立ての丸ごとワサビの風味と色が生きたソフトクリームは、甘くてクリーミーな味と、爽やかなわさびの香りが同居する、複雑な味。
でも、ヤミツキになること間違いなしです。
これには辛味はありません。
食事ならば、ワサビ本来の味を楽しめる本わさび丼720円。
あつあつのご飯に、のり、ねぎ、白ごま混ぜ込み、香り高い鰹節の上に、擦りおろした本わさびの乗せ、醤油をかけたひと品です。
シンプル極まりないメニューなのです。
でも、素材の味を楽しむのなら、シンプルなものこそが最適なんです。
正直、かなり辛いです。
日本人だって、ワサビが平気なわけではありません。
でも、あの辛さが自分をリフレッシュしてくれるのです。
ぜひ、みんなで食べて(シェアしたっていいんです)お互いのリアクションを楽しみましょう。
訪れるのに最適の時期、時間は?
◯ワサビを見たいのだったら
2月〜4月と10月〜11月がオススメ。
暑い季節になるとワサビ畑の上に日除けがかけられてしまうので一面のワサビ畑という風景はみることができなくなってしまいます。
◯水車の風景を見たいのだったら
新緑の出て来る5月〜紅葉の11月までがオススメです。
真夏の時期は特に緑が濃く、涼しさを感じられるので、最高の時期と言えます。
ちなみに農場のスタッフの密かなオススメが冬の朝なのだそう。
雪が降った後の風景が美しいらしいです。(私も次は冬に訪れてみます)
水車と川の流れを写真に収めようとするなら、早朝が一番美しい風景を見ることが出来るでしょう。