日本最長の宿場町
奈良井宿
江戸時代の5街道の一つ、中山道のちょうど真ん中辺りに位置する宿場町が奈良井宿です。
日本最長の宿場町で、その賑わいは「奈良井千軒」とよばれたほどでした。
宿場町の入り口は、JR奈良井駅の西口から徒歩1分。
宿場内は住民以外の一般車両の通行は禁止されています。
そのため車の場合は、国道沿いに道の駅や奈良井木曽の大橋の駐車場があるので、そこに駐車して歩くのがオススメです。
こちらは宿場町の入り口まで300mほど歩く必要があります。
いざ江戸時代に
さて、宿場町に一歩足を踏み入れれば、そこはまさに江戸時代の町並み。
本当にタイムスリップしたかのような気分に浸れます。
この町並みは国の「伝統的建造物群保存地区」に選定されており、昔ながらの景観を残すことが義務付けられているのです。
まっすぐに伸びた通りの両側に背の低い千本格子の建物が連なる様子は圧巻。
町並みの距離はおよそ1km。ぜひ端から端までそぞろ歩いて楽しみましょう。
建物は、出梁(だしばり)造りという建築様式が特徴的です。
梁(はり)というのは、柱と交差して横に渡されるものですが、その梁が壁を突き出して庇(ひさし)にも利用されている、
というのが特徴のようです。
そのような部分にも注目しながら歩くと楽しめるでしょう。
途中、通り沿いに水場があります。
現在残っている水場は宿場内で合計6か所あり、それぞれ地元の方々が維持しています。
この水は飲むことができます。やはり山間で水もきれいなんでしょうね。
時には、地元の人達がこれらの水場で水を汲んでいる姿など、実際に生活用水に使っているところも見ることができるそうです。
おみやげにローカルフード お店も沢山あります
宿場内にはお土産ものの店も沢山あります。
木曽は材木が豊富な土地で、特に木曽ひのきが有名なので、それを加工した曲げ物(木工)と漆器がおすすめです。
特にお箸などはかさばりませんし、値段も高くないので良いのではないかと思います。
食べ物は、「五平餅」か「おやき」が長野の郷土食なのでその2つがオススメです。
売店で買って食べる気軽な食べ物なので、街の雰囲気を楽しみながら食べ歩きするのもありだと思います。
ちなみに「おやき」は野沢菜や切り干し大根などを小麦粉の生地で包んで焼いた物。
「五平餅」はお米を楕円形に成形して、甘い味噌を付けて焼いたものです。
各お店で、それぞれ違った形、自慢のタレを施しています。
食べ比べをして、お気に入りを見つけるのも楽しいかもしれません。
どちらかというと「五平餅」の方が、木曽の食べ物で、「おやき」は北信(長野の北の方)の食べ物かなという認識ですが。
あと「おやき」は意外とお腹いっぱいになるのでほかに食べたいものがある方は注意が必要です。
町を観察すれば もっと楽しい
江戸時代から続く町ならではの面白さも有ります。
そこに気をつけながら歩くと、面白さがさらに増すと思いますのでいくつかご紹介しましょう。
例えば、奈良井宿を歩いていくと、一箇所大きく曲がったクランクのような場所があります。
「鍵の手」と呼ばれている場所なのですが、これはかつて、敵軍に攻め込まれたときに、
この曲がり角で敵の速度を落として防衛しやすくなるように設けられたのだそうです。
他には、それぞれの家の軒先に、「表札」とそれとは違う別の札が下がっているのにも気づくと思います。
これは屋号というもので、江戸時代は武士など一部の人以外は名字を名乗ることが許されていなかったため、
その代わりに使われていたものです。
多くは職業に関するものを付けているので、奈良井宿の屋号も、
それぞれの家がどんな仕事をしていたのか想像しながら歩くと楽しいでしょう。
今も人々が暮らす町です
まるで映画のセットのように美しい奈良井宿ですが、いまもそれぞれの家に実際に住民が暮らしています。
マナーを守って観光してください。
一度、夏の夕方に訪れたときに、地元の若者達がお祭りのお囃子の練習をしていて、その光景はとても印象的でした。
おそらく夕方に観光客が減ってきた時間帯のほうが地元の人達の生活の様子を覗き見られるのかもしれません。
というわけで、宿場内にある宿に泊まるのもオススメかも。