世界遺産吉野山とは
桜の名所と言えば数ありますが、奈良県の世界遺産吉野山の名を出して、異議を唱える日本人は皆無と言っても過言ではありません。
吉野山とは、紀伊山地の霊場と参詣道の一部として世界遺産に登録され、奈良県大峯連山の北の端に位置しています。
険しい山々が連なる大峯連山の北の端から南にかけて約8kmも続く巨大な尾根一帯が、春の訪れとともに桜色に染まるのです。
この吉野山の桜、範囲が広いだけに楽しむにはちょっとしたコツが必要。
というわけでは、今回はそこのところも一緒にご紹介していきたいとおもいます。
吉野の桜は 一ヶ月楽しめる
桜といえば、咲き始めればあっという間。
およそ1週間から10日ほどで散ってしまう見頃の短い花ですが、吉野の桜はなんと約1ヶ月も楽しめます。
その理由は、吉野山の標高。
実は吉野山では麓から山頂にかけて下から順に下千本、中千本、上千本、奥千本と分かれて咲いていく、というここならではの特徴があるのです。
そしてもう一つ、それは桜の種類。
吉野山の桜は、シロヤマザクラと呼ばれる山桜が主流。
驚くことに春の間に、吉野山で咲く桜は200種もあり数は約3万本!
一般的に桜と言えば町なかで1番目にするのはソメイヨシノです。
ソメイヨシノは、元は1本の木で、そこから接ぎ木で増えたクローン桜のため、一斉に咲いて散るのですが、
吉野山では、標高と品種の違いによって、分かれて順に咲いていくことから、1か月近く桜を楽しめる花見の一大名所になっているんです。
そして、下・中・上、それぞれのスポットごとに桜の楽しみ方も違ってくるんです。
吉野山の桜へのアクセスは?
吉野山へのアクセスは、近鉄を利用し最寄り駅である近鉄吉野駅へ行きます。
そこからロープウェイを利用するのが一般的。
近鉄吉野駅からロープウェイ駅である千本口駅まで徒歩でアクセスします。
歩いて約3分ほどです。
下千本エリアの千本口駅から、同じく下千本エリアである吉野山駅まではロープウェイでこれまた約3分ですので、
乗車時間はあっという間です。
車窓いっぱいに桜が広がっている景色を楽しめるので、もう少し乗っていたい気分にさえなっちゃいます。
ちなみに、観桜期のロープウェイは毎年混雑しています。
そのため、時間に余裕を持った観光を計画してください。
そして吉野山駅に到着後は、金峯山寺へと続く参道を登っていくことになります。
道沿いには多くの桜とお店が迎えてくれます。
また下千本の時期ならロープウェイを利用せず、徒歩で吉野山駅まで歩いて観光するのもおすすめです。
「七曲坂」と呼ばれる坂を上るのですが、こちらも多くの桜が咲き誇っています。
素敵な景色を楽しみながら上ることができますよ。
下千本は夜桜を楽しむ
標高約230m~300mに位置する下千本は吉野山の入り口と呼ばれています。
そんな下千本の「七曲坂」では例年3月下旬から4月の下旬まで、桜のライトアップが行われています。
場所は、七曲り、五郎平、大塔の宮の3つのエリア。時間は18時〜22時までです。
柔らかな灯りが、桜を幻想的に浮かび上がらせ、華やいだ世界を見せてくれます。
このライトアップ、昼に比べて比較的人が少なくなり、落ち着いて桜を楽しむことができる場合が多いのでおすすめです。
人混みがちょっと苦手という方は、夜桜だけ見に来るというのも一つの手でしょう。
でも、桜の時期は意外と夜冷え込むことがあるので、服装にはご注意を。
中千本では桜を楽しむハイキング
標高約350m~370mに位置する中千本には、参道から外れて山の中を歩ける遊歩道があるので、そこをぶらぶら散策するのがおすすめ。
桜に囲まれたハイキングを楽しむことができます。
歩みをすすめるごとに目に入る景色が変わり、自然を感じながらの花見は、なんとも優雅な気持ちにさせてくれます。
遊歩道は、メインルートの参道と比べて、比較的混雑が和らぐので、気持ちの良い空気を吸いながら間近で桜を楽しめますよ。
でも、遊歩道は基本的に舗装がされていないため、動きやすい靴と服装で行くことをおすすめします。
上千本で桜と夕日のコラボを楽しむ
標高約370m~600mの上千本には「花矢倉展望台」と呼ばれる絶景スポットがあります。
ここから眼下を眺めれば、遠くまで広がる吉野が桜色に埋め尽くされます。
そんな展望台は標高約600mに位置しており、吉野山の最寄り駅近鉄吉野駅から徒歩でおよそ75分、
また、ロープウェイ吉野山駅からバスで、およそ30分で到着できます。
そして、こちらの展望台からのおすすめの楽しみ方は、夕日と桜の絶景コラボ!
ゆっくりと陽が沈むに従って、夕日に照れされ桜色から次第に朱に染まっていく桜の花は、本当に限られた季節・時間にだけ見られる特別な風景です。
展望台からの絶景がさらなる絶景になるおすすめの楽しみ方ですよ。
奈良県最大級のパワースポットの神社
実は、吉野には桜以外にも見どころがあります。
それが、奈良県最大級のパワーを放つ神社があるのである「金峯神社」。
標高600m~750mの奥千本に鎮座し、吉野山の地主神である金山毘古命が祭神です。
この神社のご利益が
金運!
古来より金峯神社がある辺りから大峯山にかけて、金脈があると信じられていました。
昔話ではこの山に登って黄金を得たという物語もあるのだとか。
そのため、こちらの神社は金運アップのパワースポットとして人気があるのです。
まとめ
さて、奈良県の吉野山の桜の楽しみ方は知っていただけましたか。
訪れる時期ごとに、桜の楽しみ方が違いますので、参考にしてください。
また、観桜期は特別に近鉄吉野駅から吉野山の中腹にある中千本操車場まで臨時バスも走っています。
さらに奥千本まで行きたいなら、中千本操車場にて下車後、近くから出ている奥千本行き竹林院前のマイクロバスを使用すると良いですよ。
このように徒歩以外でも臨時バスを使って楽にお花見を満喫することもできますので、ぜひ、気軽に吉野の桜を楽しんでください。