これぞ日本!一度は目にしたい憧れの風景
「忠霊塔(ちゅうれいとう)」という観光名所を知っていますか?
以前は、一地方のちょっとした名所にすぎなかったその場所が、今、世界中から観光客が集まる話題のスポットになっています。
特に人気なのが「桜」の時期。
というのも、忠霊塔の敷地内にある展望台から見える風景が、
桜の時期には、桜、富士山、五重塔という日本を象徴する3つの要素を同時に見られる絶景になるからなんです。
そもそも忠霊塔って?
忠霊塔とは、山梨県富士吉田市は新倉山浅間(あらくらやませんげん)公園内に建つ五重塔のことです。
4月初旬になると「桜・雪の富士山・五重塔」という日本の象徴を一望できるということで、数年前から外国人観光客の中で話題となりました。
以降スマートフォンやSNSの普及により瞬くまにその眺望が世界的に有名となり、日本を訪れる外国人の定番フォトスポットとして親しまれています。
歩いていく場合は?
忠霊塔に行きたい!と思う人にとってまず重要になってくるのがアクセスです。
忠霊塔はローカルな場所にあるので、初めて訪れる人にとっては最寄り駅からのアプローチが少し複雑でわかりづらいかと思います。
今回は、最寄り駅である下吉田駅からのアプローチについて詳しくご紹介しましょう。
最寄り駅は基本情報でもお伝えした通り、富士急行線「下吉田駅」。
こんな感じの駅です。
駅舎を出るとまず目に入るのがこの看板
看板の通り、駅を出たらすぐ右手の路地へ進みます。
少し狭い路地ですが、歩行者用に舗装された道なので分かりやすいと思います。
ただし歩行者専用道路ではありません、車も通りますのでご注意を。
随所にある誘導看板に従って道を進むと、駅から10分ほどで、まずは「新倉浅間神社」へ続く参道入口に到着します。
こちらが参道入口です。
写真左に映る「三國第一山 富士浅間神社」の大きな石塔が目印です。
※ここの三國とは日本・中国・インドのこと、当時の日本人は世界と言うとこの3国しか知らなかった(認知されてなかった)ので
「三國第一山」とは「世界一の山!」という意味なのです
ちなみにこの参道入口から左奥に伸びる道を登れば無料駐車場があります。
車の場合もわかりにくい…
車の場合は、基本情報住所をカーナビに入れて来て頂くのがベストなのですが、周辺道路は、複雑で狭く入り組んでおり、
走っていて「これで合っているのか?」と正直不安になってきます。
そんな方は富士急行線「下吉田駅」をカーナビのゴールに設定してみて下さい。
まずは下吉田駅へ来ていただき、その後誘導看板に従って無料駐車場まで向かうのが良いかと思います。
車の場合は下吉田駅舎を正面に見て左へ進むと、先ほど紹介した徒歩の道のスタートになります。
初めの30mほどは徒歩の道と同じ経路なのですが、途中で車用の道に分かれます。
それも誘導看板で案内されているのでそれに従いましょう。
同じく狭い道ではありますが、曲がり角や交差点の随所に誘導看板がついているので、より確実に上記の無料駐車場まで行けると思います。
「これで合っているのか?」とキョロキョロと運転していると事故にも繋がり兼ねますので、不安な方は上記の方法を試してみて下さい。
また春の桜の時期に車で来る方には、1つ重要なお知らせがあります。
桜の時期、上記無料駐車場は朝の段階ですぐに満車になるケースがほとんどです。
この時期は例年、周辺小学校グラウンドやお寺が臨時駐車場となり、そこからピストンバスなどで移動する方法をとることになっています。
時期が近づくと専用サイトが立ち上がりますので、そちらでご確認下さい。
いよいよ絶景の忠霊塔へ
それでは話を参道入口に戻します。
実はこの参道入口からがアプローチの本番です。
忠霊塔は山の中腹にあるので、ここから急な坂道や階段が続きます。
参道入口からはいきなり階段になります。
ちなみにこの階段の途中からはこんな鳥居と富士山の絶景も拝むこともでき、人気フォトスポットにもなっています。
ただしこの階段、意外と急なので足元要注意です。
さて急な階段を登りきると、正面に新倉浅間神社の本殿が見えてきます。
まだ忠霊塔ではありませんよ。
この新倉浅間神社は、この場所が公園になる遥か前、もちろん忠霊塔ができるよりもずっと前からこの地に鎮座する神社です。
正式名称は新倉富士浅間神社(あらくらふじせんげんじんじゃ)と言います。
由緒書きによると西暦700〜800年代頃から氏神としてこの地に鎮座し、繰り返される富士山の噴火を収める為に、
木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)という富士山の神様(女神)を祀っています。
忠霊塔との歴史的・宗教的繋がりはありませんが、富士山とこの地を1000年以上見守ってきた由緒ある神社です。
必ず忠霊塔を訪れた際はお参りしておきましょう。
さて神社への参拝が終わったら、忠霊塔へ向かってさらに登ります。
神社から忠霊塔ヘは2つの行き方に分かれます。
1つ目は坂道(スロープ)です、神社本殿のすぐ前から上へ伸びています。
2つ目は階段です。
この階段、木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)から「咲くや階段」と呼ばれており、さくやを文字って398段あります。
先ほどの参道入口の急な階段を登りきると、右奥に咲くや階段は見えてきます。
ちなみにこのスロープと咲くや階段は繋がっているので、途中で切り替えることができます。
神社から咲くや階段のみ使うと10分、スロープのみで15分程度で忠霊塔まで行けます。
体力に自信のない方はスロープのみをお勧めします。
体力に自信があり、少しでも早く忠霊塔へ着きたい人は咲くや階段で行ってみましょう。
無理せず自分のペースで上がるのがポイントです。実際意外ときついです。
ちなみにスロープや咲くや階段の途中にも桜が咲いており、こんな風景が拝めます。
さてこのスロープ &咲くや階段を登りきると、ようやく忠霊塔が目の前に姿を現します。
ここまでくるとかなり息も切れているはず、一息入れましょう。
桜と塔だけでも十分癒やされます。
そもそもこの忠霊塔は案内板にもありますが、1958年に地元の戦没者(WW2)を供養する為に建てられました。
(※忠霊塔自体は日本全国に多くあります)
遠い地で亡くなった先祖が、自らの故郷と雄大な富士を眺められる場所に還り、安らかに眠ってほしい。
そういう願いが込められ建てられた塔なのです。
さて、ここまで来ると市内の街並みが眼下に拡がります。
ただし、ここはまだあの有名な写真が撮れる場所ではありません。
忠霊塔を写真に入れるため、忠霊塔の裏側にある展望デッキまで移動する必要があります。
もう一踏ん張りです。
忠霊塔を正面に見て右脇に道が伸びていますので、その通りに2〜3分ほど進んでいきます。
さてお待ちかね、ようやく展望デッキに到着です。
ここが例の写真が撮れる展望デッキです。
スペースとしては5m×3m程度でしょうか、そこまで広くないので皆で譲り合いながらシャッターチャンスを狙います。
駅からおおよそ徒歩20〜25分ほど、ここからの景色を見れば坂を登った疲れも一気に吹っ飛ぶはずです!
写真を撮るのにベストな時間帯は?
やはり気になるのは、あの美しい写真はいつの時間帯に撮れるのか?ということ。
ズバリ結論から言ってしまえば「朝」です。
上記のような写真を撮るのには、「朝」が絶対お勧めです。
4月初旬、富士吉田の朝の最低気温は2〜5℃、その為空気が大変澄んでいます。
2〜5℃と言うと東京の真冬とほぼ変わらないはずなので、東京や関東近郊から来る方は、普段真冬で来ている服装と同等のものを持ってきましょう。
逆にそれくらい気温が低く空気が澄んでいなければ、くっきりした空、くっきりした富士
山の写真を撮れる確率はぐんと下がります。
よって正午近くになり気温が上がってしまうと、雲が発生しやすくなってしまいます。
また、桜の時期の忠霊塔は9時以降になると大勢の観光客が訪れます。
例の展望デッキにも長い順番待ちの列ができるほどです。
ピーク時は1時間以上待つケースもあるので要注意です。
ちなみに夕方も同じく気温が低くなり、夕焼けの写真が撮れるのでお勧めなのですが、
薄暗いため桜がはっきりと映らないので、やはり一番のおすすめは朝です。
個人的には、(時間の許す方は)朝7時か8時に行って9時前には写真を撮り終えるのが最もスムースかと思います。
おすすめ穴場
富士五湖エリアには「忠霊塔」以外にも河口湖や山中湖、富士山五合目といった多くの観光スポットがあります。
しかし、せっかく忠霊塔がある富士吉田下吉田エリアに来たのなら、
もう一つ最近外国人の中で話題となっているフォトスポットを訪れてみてはどうでしょうか?
皆さんこの写真はご存知ですか?
これは上記で説明しました富士急行線「下吉田駅」から徒歩5分ほど歩いたところにある、本町通りと呼ばれる場所の写真です。
道・商店街越しに映る富士山は、まるで合成写真であるかのようにその大きさが際立ち、最近SNS上で話題となっています。
忠霊塔は「桜・雪の富士山・五重塔」という誰もがイメージしやすい情景というのが人気の理由ですが、
よりローカルで穴場、少し謎めいた話題性のあるフォトスポットも今の外国人には人気なようです。
こちらも写真を撮るには朝がお勧め。
富士山がくっきりはっきり映るほどこの写真は迫力が出るので、一番は朝、朝は厳しいという方はせめて午前中のうちに行くことをお勧めします。
ちなみに行き方は富士急行線「下吉田駅」を背にして、富士山の方向へまっすぐ進み3つ目の信号付近が上の写真の場所です。
皆さんもぜひお試しを!