日本海をバックに絶景が楽しめる白米千枚田の魅力
自然があふれる能登の里山里海は、2011年6月に世界農業遺産に認定されました。
大自然に囲まれた能登の中でも、屈指の観光地と言われているのがここ「白米千枚田」です。
白米千枚田は、かつて田植えから稲刈りまでの期間だけが観光シーズンとされていました。
しかし、能登半島が世界農業遺産に認定されたことにより、観光地としての活性化を図り、今では年間を通してどのシーズンでも楽しめるようになりました。
そもそも千枚田や棚田とは、どういうもの?
千枚田や棚田とはどういったものなのかというと、傾斜がきついところに作られた水田の集合体の事です。
1枚の田んぼを大きくするには斜面を大きく削り、水平にしないとならないため大変な労力が必要です。
そのため、山間の土地などでは、斜面にあわせて細かく水平にし、小さな水田をいくつも作るんです。
これが水田ではなく畑の場合は、段々畑と呼ばれます。
白米千枚田は、水田ひとつの面積はおよそ18平方メートルとかなり小さく、棚田全体ではおよそ4ヘクタールになっています。
この4ヘクタールの中に、なんと水田が1,004枚あるため、千枚田と呼ばれているのです。
白米千枚田へのアクセス
白米千枚田は、石川県の能登半島のほぼ先端近くにある輪島市にあり、観光に訪れる際は、いくつかの交通手段が利用可能です。
車の場合は
自北陸自動車道金沢西ICから、のと里山海道・主要地方道七尾輪島線を経由し、国道249号を珠洲方面へ2時間15分です。
また、公共交通機関の場合は
JR金沢駅からバスを利用し、道の駅輪島(ふらっと訪夢)で下車。
さらに路線バスに乗り換え約15分となります。
春ー水鏡が美しい
白米千枚田は、日本海に面した珍しい棚田です。
1年を通して観光が可能でさまざまな表情を楽しむことができます。
春は眩しい新緑の中で、田植えをしている様子が見られます。
田植えが行われるのは、だいたい5月の上旬から中旬にかけて。
ここでの田植えは一般的な田植えとは違い、水田が小さな棚田になっていることから田植え機などの機械を入れることができません。
棚田は斜面に合わせて作られているので、形がいびつで田植え機が入らないほど小さいからです。
よって、昔ながらの手で植える方法で田植えを行っています。
この田植えの様子は、シーズンの場合10時~15時くらいの間に見ることができます。
この時期の千枚田は、水田一面に張り巡らされた水が鏡となり、植えたばかりの稲が映り込む様子は、里山里海ならではの風景です。
そんな千枚田の春と言えば、何といっても日本海に沈む夕日が人気を集めています。
日本海に沈む真っ赤な夕日と棚田の生み出す貴重な絶景をカメラに収めようと、たくさんのカメラマンが日本国内だけではなく世界各地から訪れます。
夏ー千枚田の緑と海の青のコントラスト
夏になると、春に植えた稲がどんどん成長し、穂が先端から顔を見せ始めます。
この時期になると、強い日差しに照らされていることもあり、田んぼに水を切らさないよう、見守らなければなりません。
棚田の水は、高いところの田んぼから順番に下の田んぼに流れていくように水路が作られているんです。
うーん、人間の営みってすごい。
稲の緑が濃くなる夏は、海と空の青とのコントラストが美しくなります。
秋ー黄金色の稲穂とはさがけの風景稲
秋は収穫の季節。
白米千枚田では、黄金に実った稲を刈る稲刈りの様子を見ることができます。
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この稲刈りももちろん田植え同様機械の利用ができない水田もあるため、手作業で稲刈りをしています。
また、今ではほとんど見ることができなくなった「はざかけ」と呼ばれている稲の天日干しも楽しめます。
冬ー雪とイルミネーションがカップルに人気
稲刈りが終わると、いよいよ「あぜのきらめきの」シーズンがやってきます。
稲がなくなった水田のあぜに、全国から集まったたくさんのボランティアの人が一斉にLED電球を並べます。
白米千枚田はかつて、1年のうちでも田植えから稲刈りまでのシーズンが観光シーズンとされていました。
しかし、世界農業遺産に認定された後は、観光地として活性化を図るため、1年間どの時期でも楽しめるようにと、
冬の白米千枚田では田んぼの畔に彩とりどりのLEDを使用しイルミネーションイベントを開催するようになったんです。
この「あぜのきらめき」は、田植えの準備が始まる3月中旬ごろまで開催されています。
「あぜのきらめき」がスタートしたばかりの頃は、ピンクのみのイルミネーションでしたが、年を重ねるごとにカラーが増え、
最近ではイエロー・グリーン・ブルーなどたくさんのイルミネーションを見ることができます。
冬の白米千枚田は、昼も最高
四季折々の表情が楽しめる白米千枚田ですが、特におすすめしたいのが「あぜのきらめき」が開催されている冬です。
週末になるとこのイルミネーションを楽しみにたくさんの人が訪れます。
特にクリスマスシーズンは、ツリーをイメージしたイルミネーションがあるため、恋人たちのデートスポットとしても人気があります。
でも、冬は夜だけではなく昼も注目です。
日本海から強く吹きつける雪が積もり、棚田一面が雪化粧します。
この他に、すぐ近くの海岸では、岩に強く打ちつけられた波が細かな泡となって飛ばされる「波の花」と呼ばれる自然現象も楽しめます。
稲作体験もできる水田オーナー制度
この白米千枚田では、白米千枚田オーナー制度という制度があり、会費を払うことで水田のオーナーになることができます。
このオーナー制度は、1,004枚ある水田のうち、まだオーナーが決まっていない水田から好きなものを1枚選び、オーナーとして登録できるんです。
水田のオーナー制度は、自分の水田で田植えから稲刈りまでの一般的な稲作が経験できるという素敵なものです。
また、遠方で田植えや稲刈りが行えないとしても、地元のボランティアの方が管理してくれるうえ、
出来上がった米はオーナーの所に届くようなシステムになっています。
この白米千枚田オーナー制度では、漫画家をはじめ有名俳優や女優、そして政治家などたくさんの人が会員になっています。
農業体験を楽しみたいという方には特におすすめなので、ぜひ登録してみてはいかがですか。