アートと絶景が息づく街 十日町市
新潟県の南部に位置する十日町市。
豪雪地帯や米どころとして知られていますが、ほかにも多彩な顔を持っています。
例えば、3年に1度開催される「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」。
(絵本と木の実の美術館)
およそ50日間の期間中に、200点を超える作品が、里山の風景の中に配置されます。
その自然とアートとのコラボレーションを楽しむために、世界中から50万人以上の人々が訪れる1大イベントとして知られています。
(最後の教室)
他にも、四季折々に美しい風景を見せてくれる星峠の棚田。
約200枚の水田が山の斜面に広がり、息を呑むような絶景を見ることができます。
そんなアートや絶景の街十日町を訪れたら、ぜひ食べてもらいたい食べ物があるんです。
それが新潟県魚沼地方の郷土料理「へぎそば」。
そしてそのへぎそばの名店が「そばの郷 Abuzaka」なんです。
(清津峡渓谷トンネル)
「へぎそば」ってなに?
「へぎ」とは「剥ぎ(はぎ)」が訛って言われるようになったといわれ、薄く剥いだ木から作られた器を意味しています。
こちらがその「へぎ」にはいった「へぎそば」。
へぎそばは、茹でたてのそばを冷水で洗い、食べやすい一口サイズに丸めて盛り付けます。
これを「手繰り」といい、手繰りにされたそばをへぎに盛り付けたものが「へぎそば」と呼ばれているのです。
3~4人前を一枚の大きな「へぎ」に盛り付け、お祭りや冠婚葬祭の際に大勢で楽しめるごちそうとしても振舞われてきました。
へぎそばのうまさの秘密
へぎそば最大の魅力といえば、なんといっても強いコシとツルっとした喉越し。
ふつうのそばは、表面がすこしザラッとした感じがあると思いますが、へぎそばはとにかくツルツル。
初めての人は「え、これはそばなの?」と思うくらい衝撃を受けると思います。
その理由は、そばに加えられているとある食材にあるんです。
十日町市は古くから織物産業で栄えており、織物を織る工程で、
糸を糊付けする際に「布海苔(ふのり)」という海藻が使われていました。
やがてこの布海苔がそばのつなぎにも使用されるようになり、へぎそば特有の喉越しが出来上がったのです。
そんな絶品へぎそばと、プラスαのおもてなしを満喫できるお店をご紹介します。
地元民オススメの名店「そばの郷 Abuzaka」
十日町駅から車で約10分、
一面に広がる広大な田園風景の中に現れるおしゃれなレストランが「そばの郷 Abuzaka」です。
このお店の建つ鐙坂(アブザカ)という地名を由来としており、
地域の食材を楽しんでほしいという思いと、鐙坂への愛を込めて名付けられたそう。
店内は50席ほどで、天井も高く和モダンな雰囲気。
窓からは鐙坂の絶景を一望できます。
さて、そんなAbuzakaでおすすめしたいのがビュッフェランチ。
大人1,520円/小学生500円(税別)
※未就学児でそば、うどんの注文なしの場合は無料。
「へぎそばor 米粉入りうどん + 山菜と野菜の惣菜ビュッフェ」という内容です。
(なんて良心的な価格なのでしょう…)
ビュッフェも気になるとは思いますが、まずは自慢のへぎそばから見ていきましょう。
Abuzakaでは、「とよむすめ」という香り高く食味に優れた、新潟生まれの品種のそばを自社栽培しています。
これを、石臼を使って丁寧に製粉しています。
さらに、布海苔や水分との割合も試行錯誤を重ね極上の味・口当たりを生み出しています。
こちらが茹で上がったばかりのAbuzaka特製のへぎそば。
豊かな香りとなめらかな喉越しで、本当に「絶品」です…!!
さらに、ビュッフェの方もすごいんです。
カウンターには「地元の採れたて山菜と自家製野菜のお惣菜」がずらり。
食べ放題で楽しめちゃうのです。
(そば以外はビュッフェ形式です!)
旬の食材の味を生かして、若い方にも食べやすいようにアレンジされた田舎料理の数々。
こごみの味噌あえ、だし巻き卵、出汁の味わいたっぷりの煮〆、サラダにけんちん汁など、
12~13種類ほどのお料理が彩り華やかに並びます。
どれから食べようか選ぶのに目移りする時間も、なんとも楽しい!
揚げたての天ぷらを抹茶塩で食べるのも最高です。
もちろんデザートも自家製ですよ。
またレジの隣にはおしゃれなお土産コーナーがあります。
店で食べたお惣菜や地元の旬の食材なども売っていて、ついつい買って帰りたくなります。
店内にはお子様用の食器や椅子、おむつ替え台や座敷もあり、お子様連れにも優しい気遣いを感じます。
またメニューも英語、中国語(簡体語&繁体語)に対応しています。
こちらのお店はランチタイムとカフェタイムという日中のみの営業です。
(2020年6月現在はランチタイムのみ)
平日は11:00か、13:00頃が比較的混雑を避けやすいタイミングです。
土日祝日は常に満席のことも多いですが、予約が可能なので、事前に電話予約をして行くのがおすすめ
(予約した場合でも来店後、多少待つ場合があります。)
絶景を眺めながら十日町の味を堪能できる、
満足度200%のレストランで、絶品のへぎそばをどうぞ。
(ライター Yukiko)