房総地方に伝わる郷土料理 太巻き寿司
房総の太巻き祭り寿司は、千葉県の房総半島エリアに伝わる郷土料理です。
その特徴は、なんと言っても美しいその断面。
切り口に美しい絵柄や、文字が出るようになっているのですが、
例えば椿やあやめ、チューリップといった可愛らしい花の模様が形作られているんです。
さらに最近では、なんとアンパンマンといったアニメのキャラクターや、新幹線といった乗り物までがモチーフになっています。
房総太巻き祭り寿司の作り方は?
この華やかな巻き寿司、普通の巻き寿司とはちょっと違う作り方のコツがあるんです。
巻き簾の上に海苔を置き、その上に薄く酢飯を広げていきます。
ここまでは普通の巻き寿司と同じ。
通常の巻き寿司ならば、ここから入れたい具材をどんどん乗せて、あとはギュッギュッと巻くだけで完成です。
でも、この場合、巻き寿司の断面は運次第になります。
房総太巻き祭り寿司の場合は、完成を運に任せるというわけには行かず、
出来上がりを考えて具材を配置して、その上で巻いていかないといけません。
太巻き寿司作りの名人たちは、親や友人から作り方を伝えられ、美しい絵柄になる具材の配置を覚えているのだそうです。
こんなキレイな巻きずし、ぜひ作ってみたいと思ったあなた!
そんな人のために、外国人観光客でも作ることができる、体験教室もあるんです。
太巻き寿司作りを体験しよう
太巻き作りを体験できるのがいすみ市にある「楽働会」です。
地元の農家のお母さんたちが運営する体験工房で、房総半島の東海岸寄り、ちょうど半島の真ん中あたりにあります。
ちなみに、最寄りの太東(たいとう)駅から市内循環バスで約10分で行けますが、
バスは1日4本なので、
時間が合わなかったら、タクシーを使ってしまう方がおすすめです。
楽働会では、地元の野菜を使ったピザ作り体験や、手作り味噌作り体験などさまざまなことを体験できます。
「房総太巻き祭り寿司作り体験」は、初級から上級まであってそれぞれ値段が違いますが、
一番簡単な初級は、所要時間およそ1時間半で、料金は3000円。
外側に、海苔の代わりに薄焼き卵を使った卵巻きとオーソドックスな海苔巻きの2種類を作ることができます。
体験は、具材の準備をしていただけるので、手ぶらでO.K。
エプロンをつけたら、さっそく祭り寿司作りに取り掛かかれます。
教えてくれるのは、楽働会の会員である、近所の農家のお母さんたち。
そんな気さくな先生とお話をしながらの太巻き寿司作りは、田舎の親戚の家に遊びに行ったような雰囲気で体験出来ます。
ちなみにこちらの女性が、楽働会の代表 安藤クニさん。
先程書いたように、図柄によって具材の配置は違いますが、おおよそ4人に先生一人がついてくれて、
一つひとつ丁寧に教えてくれるので安心です。
さらに、初級なら小学生でも作れるそうなので、初心者でも大丈夫。
ちなみに、ちょっとだけコツを教えておくと、海苔の上に酢飯を置くときや巻き簾で巻く時に、
すし飯を強くおしつけないように扱うのが、キレイな模様を作るコツ。
切り口にすし飯の粒が立って見えるように巻くといいんだそうです。
外国人向けの特別な英語の説明はありませんが、翻訳アプリを使いながら手取り足取り教えていただけるので、
言葉の壁は感じずに楽しめると思います。
また、中国や台湾の人たちが中心ではありますが、外国人の観光客も多く受け入れているそうなので、その点も安心です。
できた祭り寿司は、完成後にその場で先生たちと一緒に試食します。
ちょっとしたおかずも付けてくれて、ホームパーティ気分で楽しむことができますよ。
予約はメールで1週間前までに。体験は4名から受け付けています。
千葉県独特のキレイな巻き寿司作り。
1度作り方を覚えれば、家でも作ることができるので、ぜひ体験してみてください。