石川県能登半島の片田舎に「謎の」博物館が…
石川県の観光地と言えば、金沢城、ひがし茶屋街や兼六園など、加賀百万石の城下町の伝統と文化が感じられる風情ある場所が有名です。
しかし、そんな石川県の片田舎に驚きの博物館があるんです。
その博物館があるのは、石川県の羽咋市(はくいし)。
人口は、2万人強。
金沢市から北に30kmほど行った、海沿いの小さな街です。
そんな羽咋市の田園地帯のど真ん中に、突如として現れる円盤型の建物。
どう見てもUFOです…。
そう、これが今回ご紹介する、“UFO博物館”こと「コスモアイル羽咋 宇宙科学博物館」。
しかし、なぜこんなところに、UFOの博物館
があるのか?
その謎の理由も含めて、オカルト好きでもそうでない人でも楽しめる驚きの博物館の正体に迫ります!
UFO飛来の街 羽咋
石川県羽咋市は、大人気の観光都市・金沢から車で約50分。
海岸を車で走れる「なぎさドライブウェイ」が有名な日本海に面した田舎町です。
宇宙飛行士も輩出しておらず、宇宙や科学とは縁もゆかりもなさそうな町になぜUFO博物館があるのでしょうか。
写真は、羽咋市内を走っている「るんるんバス」です。
バスの胴体には、「UFOと神話のまち」…。
実は、羽咋市にはUFOの目撃情報が多数あります。
羽咋市の隣町にある宝達山(ほうだつざん)は、モーセの墓がある、と言われている山ですが、
この山から、鍋のふたのような形をした謎の飛行物体が頻繁に飛んで来るのを見た、という目撃談が多くあります。
そして、実は私も見たことがあるんです!
あれは1999年12月31日の深夜、宝達山の方から、白い光がスーッと現れ、ピタッと動きを止めたかと思うと、
1,2回またたいて、姿を消しました。
ちょうど初詣に向かうバスを待っていた時で、一緒に待っていた人々も目撃しています。
テレビ番組の収録のため、同時刻に千里浜海岸で大勢の人がチャネリングをしていたことを知り、UFOと確信しました。
そんな街の噂話にヒントを得たとある公務員が、UFOでまちおこしをすることを思い立ちできたのがUFO博物館です。
UFOに関するものだけでなく、NASAから直接借り受けたという宇宙船を展示するなど、
オカルトマニアだけでなく宇宙好きも引きつける博物館を作り上げました。
その甲斐あって、いまではUFO博物館は街の重要な観光資源になっているんです。
さっそく、そんなUFO博物館の中を見てきましょう。
本物がズラリ!偽物もズラリ笑
UFO博物館
建物の前にそびえているのは、NASAから提供されたマーキュリー・レッドストーン・ロケット(MR7)です。
レッドストーンロケットは、NASA設立の翌年から始まったマーキュリー計画で2回の有人飛行の打ち上げに使われました。
全長26.6メートル。
ロケットの1段目と2段目は本物で、胴体はマグネシウム合金が使われているため、ほとんどさびていません。
羽咋は海に近い街、鋼鉄製のレプリカでは、あっという間にさびて、維持管理費がかかりすぎてしまいます。
UFO博物館はNASA特別協力となっています。
予算がない中、本物の宇宙船やロケットを展示する博物館を建設しようと奔走する公務員が、単身でNASAを訪れ、
NASA広報部長に直接交渉しました。
借りる際に、用紙に借用期間を「10 decade」(100年)と書いたことでスタッフに気に入られ、交渉成立。
貴重な展示品が、NASAのジョンソン宇宙センターから羽咋市に恒久貸与されることになったんです。
入り口を入って受付の前には、月面車があります。
レプリカですが、実際乗って、写真を撮ることができます。
料金400円を払えば、いよいよ中へ。
階段ではなくエレベーターを使ってください。
サプライズがあなたを待ってます。
エレベーターに乗ってボタンを押せば、エレベーターの中が一瞬真っ暗になり、満天の星空が映し出されます。
看板に写っているのは、スタッフの宇宙人サンダーくんです。
サンダーくんは、宇宙船の故障で羽咋に不時着、宇宙船を治すお金を稼ぐために働いているそうです。
時々館内をうろうろしてるので、運が良ければ遭遇できますよ。
いよいよ館内へ。
展示スペースは2階にあり、それほど広くありませんが、壮大な宇宙ロマンを感じさせてくれます。
宇宙船をはじめ、通信衛星や火星探査機、いん石なども展示されています。
こちらは、「地球は青かった」との名セリフで知られるガガーリンが乗った「ヴォストーク宇宙船」です。
実際に宇宙から帰還した本物のカプセルで、大気圏に突入した時の焼け焦げた跡が生々しいです。
「ルナ・マーズローバー」は、NASAが火星や月面探査のために作らせた実験用の試作車です。
NASAの特別協力によって100年契約で借りることができました。
旧ソビエトから買い受けた「モルニア通信衛星」、「無人月面探査機ルナ24号」はもちろん本物。
飾られている展示物は、どれもこれも、資料価値の高いものばかり。
でも、なかにはこんな毛色の変わったものも…。
これはかの有名な「ロズウェル事件」の宇宙人の模型です。
「ロズウェル事件」とは1947年、米国ニューメキシコ州のロズウェルという町に空飛ぶ円盤が墜落、軍によってすべてが回収されたという事件。
その円盤は、秘密基地エリア51に運ばれたのですが、そこで、宇宙人の解剖が行われたと言われています!
この模型は、事件当時に撮影されたと言われる映像を元にテレビ局が作成しました。
指が6本あり、人間より発達した脳がリアルです。
世界的なUFO研究家である矢追純一さんは、UFO博物館の名誉館長です。
もちろん、地球上や宇宙空間で目撃されるUFO現象の分析、世界各地での目撃証言や、映像など、UFOに関する資料も充実しています。
オカルト好きのバイブル「月刊ムー」もありますよ。
博物館の1階には、コスモシアタ―があります。
コスモシアターは、ドーム型スクリーンで宇宙を楽しむ3Dプラネタリウムです。
宇宙、星座、科学などをテーマにした番組を毎日上映しています。
※別料金 500円
お土産コーナーには面白いグッズがいっぱい
お土産コーナーも、本格的な宇宙関連のものから、UFO関連のちょっと面白いものまで幅広く取り揃えられています。
ちなみに、訪れた時には、サンダーくんがおみやげコーナーの奥のスタッフルームで仕事をしていました。
そんなサンダーくんのおすすめは「宇宙食」(540円~650円)なんだそう。
宇宙食は、宇宙飛行士の宇宙食と同じフリーズドライ製法で製造された乾燥食品。
国際宇宙ステーションに実際に持ち込まれたカレーや、アポロ計画時代の宇宙食をアレンジして再現したアイスクリームなど、種類も豊富です。
でも私は、時節柄、その手前にあった「宇宙柄マスク」(700円)が気になりました。
マスクの表面に星と惑星が輝いています。
NASAや旧ソ連の本物の宇宙船があるUFO博物館は、宇宙のロマンとUFOの不思議であふれているユニークな博物館。
日本でちょっと変わった体験がしたいなら、ぜひ訪れてみてください。
宇宙人サンダーくんも待ってます!
(ライター 深井紀美子)