東京の奥地にある知られざる絶景
都会のイメージが強い東京ですが、例えば高尾山に代表されるように、1時間ほど郊外に行けば、意外と自然が豊かです。
もう少し頑張って奥多摩のエリアまで足を伸ばせば、豊かな自然を楽しむことができます。
青梅市や奥多摩町などではいろいろな自然を楽しむことができますが、今回ご紹介するのは檜原村にある神戸岩。
見てください、この神秘的な風景。
巨大な岩の裂け目の向こうに見える滝。
この岩の名前は「神戸岩」。
その名の通り、神の通り道だと言われているんです。
神戸岩へは車がおすすめ
神戸岩へのアクセスは、公共の交通機関だとなかなか大変です。
JR五日市線の終点、武蔵五日市駅から西東京バスの藤倉行きの路線バスに乗って、およそ30分。
(しかもバスは1時間に1本ないときもあります)
神戸岩入口というバス停で下車して、さらに徒歩で30分というアクセスの悪い場所です。
そのため、車での行動をおすすめします。
車ならば、中央自動車道から八王子ジャンクションで圏央道に入り、あきる野ICから一般道へというルート。
都心からおよそ2時間もあれば到着します。
神戸キャンプ場の間を通り抜けて行くときに、かなり道が狭くなるので、「これで大丈夫かな?」と思うかもしれませんが、
その先には整備された駐車場があります。
駐車場の横にはトイレも整備されているので安心。
2020年の6月時点で、ピカピカだったので最近作られたんだと思います。
さて、車を止めて準備できたらいよいよ神戸岩へ!
駐車場に設置された看板の奥見えるのが神戸岩。
駐車場から入口までは平坦な道でらくらく
駐車場から神戸岩へは、しばらく舗装された道が続きます。
駐車場のすぐ先にパイロンが立っていますがこれは車止めなので、気にせず先へと進みましょう。
右手には、清流が見えます。
距離にして200mほど進むと、神戸岩の説明が書かれた看板が見えてきます。
看板には神戸岩の由来や、どうしてこんな岩になったのかが説明されています。
神戸岩は、実は1つの大きな岩
この神戸岩、岩質はジュラ紀の硬質なチャート(火打ち石)層なのだそう。
2つの岩が向かい合っているように見えますが、実はこれは1つの巨大な岩。
長い年月をかけて水の流れに削られ、深い溝が掘られた結果、まるで2つの岩のようなったんです。
入り口からだと少しわかりにくいですが、右が高さ100m、左は高さ80mだそうです。
さて、看板からは右と左でルートが2つ選べますが、おすすめは看板の左側のちょっと険しい道です。
足の悪い方や、ヒールのある靴で着てしまった人は右側の道をおすすめします。
(このルートについては後で説明します。)
神戸岩へのアプローチは まるで登山?
看板の左側に細い小道がありますのでそこから入っていきます。
夏だと結構草が生い茂っていますが、気にせず入っていきましょう!
5mも歩けば、幅40cmほどの橋の先に落差4mほどの滝が見えてきます。
ここまで来ると、滝のおかげか夏でもかなり涼しいです。
逆に考えると、紅葉の時季などはかなり寒くなると考えられますね。
この橋を渡って、さらに先へと進むのですが…上の写真の奥に見えるハシゴがわかるでしょうか?
あれを登ります。
手前の橋自体は、そんなに高い場所に架けられている訳ではないので、怖さはありません。
問題は、ハシゴです。
まるで登山道の途中にかかっているようなハシゴで、高さは3mほど。
一応、横に鎖がついていますが…ハシゴ登るときに使わないですよね。
むしろ、登山の鎖場を連想させて怖いわ!
ちなみに、神戸岩はそこそこ人気のスポットなので、時々このルートを戻ってくる人がいます。
もし、このハシゴのところで行きあったら、降りてくる人を優先させてあげてください。
登った先はかなり狭いです。
こんな感じで、幅30cmほどの金網の通路や、岩を削った道がおよそ200mほど続きます。
上の画像、鎖が続いているのが見えるでしょうか。
画面右から左の方、奥の方へと通路が続いて行く感じです。
ちなみに、左手は高さ2mほどの崖で、下に川が流れているので落下しないように注意が必要です。
水はとても澄んでいてきれいです。
これは、少し進んだところの足場の画像。
後ろを振り返って撮っています。
険しいとはいえ、登山のように起伏が激しいわけでも無いですし、距離も200mほど。
岩と岩が迫っているのが見えるところまで来たら、神戸岩の名前の由来ともなった絶景の見えるポイントに到着です。
あまり奥に見える滝に近づきすぎてしまうと、戸の向こうに滝が見える感じがなくなってしまうので注意が必要です。
神戸岩は神の通り道の扉
この岩の隙間と、奥に見える滝の延長線上の山の中に大嶽神社があり、そこに祀られた神様の通り道ということで「神戸岩」と名付けられたんだそう。
そびえ立つ巨大な岩と、それに挟まれた細い空間。
その向こうに見える生命力に溢れた滝と緑の木々。
確かにこの神秘的な感じは、神様が通る道だと言われても信じられます。
カメラを低く構えて、岩の間、中央に滝が来るようにして見ると、岩が額縁の役割を果たしてくれて、さらに印象的な風景を見ることができます。
まさに自然が作り出した絶景。
新緑や、夏などの緑の美しい時期もいいですし、紅葉の時期も美しい風景を見ることができるに違いありません。
ちなみに、この写真を撮れる場所は、かなり狭く不安定な場所なので、他の人がいるときは注意が必要ですし、三脚を立てるのは難しいかもしれません。
いい写真を撮りたいなら、撮影の時間は、光が満遍なく薄っすらと入る早朝から午前中、もしくは夕方が良いのではないかと思います。
せっかくなので岩の間を通り抜けて、奥に見える滝まで行きましょう。
滝は高さ3mほど。
広々とした開けた空間で、爽やかな気分になれます。
ちなみに滝から、いま来た方を振り返るとこんな感じ。
滝の前でしばらく風景を楽しんだら。駐車場へと戻ることになりますが、問題なのはその帰り道。
この狭い道を人と行き交いながら戻るのは大変です。
実は、この神戸岩にアプローチするもう一つのルートがあって、帰り道はそちらのほうがずっと楽なんです。
帰り道は滝の奥へ
で、その楽な道なんですが、ゴールの滝の右手に階段があるので、それを登っていきます。
登りきったところからさらに20mほど進むと舗装された道に出るので、その右手のトンネルを抜けていくだけ。
100mほどのトンネルを抜けて、さらに行けば先程の入り口の看板のところへと戻ることができるんです。
このトンネルのルートは、平坦なので足が悪い人やヒールで来てしまった人も安心です。
でも、できればあの険しい道も、神戸岩の絶景を見るための楽しみの一部なので、歩きやすい靴でぜひチャレンジしてください。
ちなみに、帰り道には、狭い道を人とすれ違わなくても済むので、だんぜんトンネルを通ることをおすすめします。
こちらが、看板から向かった場合のトンネルの入口。
トンネルの中は明かりがないので、スマートフォンのライトなどで足元を照らしながら行くといいと思います。
途中で緩やかにカーブしているので、入り口からの明かりも届かない部分があります。
ちなみに、このトンネル。心霊スポットとしても有名なところなんだそうですが…まあ大丈夫でしょう!
気にしない気にしない。
だってこんなきれいな風景が見られる、神様の通り道なんだから。
ちょっとした冒険の気分も楽しめる、東京都内の、知られざる絶景スポット神戸岩をぜひ訪れてみてください。