日本三景のひとつ「松島」
松島は、京都府の天橋立、広島県の宮島に並び、日本三景のひとつに数えられています。
宮城県屈指の観光スポットとしても知られており、2010年の観光者数はなんと624万人にまで達したそう。
国内外問わず、幅広い世代に愛されているスポットなのです。
松島の風景と歴史について
松島とは、湾内にある260余りの島々を総称した名前のこと。
青く穏やかな海に浮かぶ、緑の松に覆われた小さな島の数々。そして白い岩肌が作り出す風景は、自然が生み出した造形美として多くの人を惹きつけてきました。
ちなみに現在の松島の風景は、今から約5000年前に完成したと言われています。
遥か昔は丘陵でしたが、地殻変動や温暖化による海水面上昇などが重なるにつれ、やがて山や丘の頂上部分だけが海面に残りました。
それが今の松島になったのだそう。
多くの観光客から愛されている松島の風景ですが、実はそれは今に始まったことではありません。
松島は古くから月見の名所として知られていました。
仙台藩初代藩主である伊達政宗公や、俳人の松尾芭蕉、物理学者のアルベルト・アインシュタインなど、多くの著名人が月見をするためにこの地を訪れたのだそうです。
松島といえば遊覧船!
松島の歴史や風景をより楽しみたい方は、遊覧船に乗るのがおすすめです。
料金は大人が1,500円、小学生が750円。小学生未満は無料。約50分の船旅を楽しめます。
船からは、陸上からでは決して見ることのできない松島湾の島々や風景を一望できます。
大型船から小型船まで用意されているので、個人でも団体でも思う存分に楽しむことができますよ。
四季折々の美しさがある
松島といえば、海と島々が作り出す風景が有名ですが、それ以外にも色々見どころがあります。
春は梅や桜の花が咲き誇り、松島湾と一体になった素晴らしい景色を見ることができます。
夏は新緑が最も美しい時期。
円通院の庭園を彩る緑モミジの風景は見ていて清々しく、散策にぴったりです。
秋になると、新緑の景色が一変。
辺り一面が紅葉に染まります。
冬になり雪化粧が施されると、より趣のある風景になります。
このように季節ごとに違った風景を見ることができるのも、松島の魅力のひとつなのです。
松島の見どころ① 西行戻しの松公園
西行戻しの松公園は、松島湾の絶景を一望できるスポット。
鎌倉時代の歌人である西行法師が、諸国行脚の際に松の大木の下で出会った童子と禅問答をして敗れ、松島へ行く道を引き返した、という言い伝えから「西行戻し」という名前がついたとされています。
春になると260余りの桜が開花し、松島湾とソメイヨシノのコラボレーションを見ることができます。
園内にはカフェも併設されているので、絶景を眺めながら軽食を楽しむことも可能。
ただ公園までは急な坂道が続くため、徒歩や自転車で向かう際は注意しましょう。
松島の見どころ② 円通院の紅葉ライトアップ
円通院とは、松島に所在する寺院のひとつ。
国の重要文化財である瑞巌寺に隣接しており、伊達家の子孫を祀る場所としても知られています。
特に秋の時期の紅葉ライトアップはおすすめ。
毎年10月下旬~11月下旬までの期間限定ですが、一度は見る価値アリです。
池に反射した木々が鏡のように映っています。
辺り一面に広がる紅葉が照らされている光景は、とても幻想的です。
松島の見どころ③ 松島流灯会 海の盆
松島流灯会 海の盆とは、毎年松島で開催されている夏祭りのこと。
2011年3月11日に発生した東日本大震災以降に、新たに誕生したイベントです。
「霊場としての供養を大事にしつつ、祭りの賑やかさも楽しむ」ということがコンセプトになっています。
お祭りでは花火も上がります。
大人も子どもも自然に笑顔になるようなイベントです。
東日本大震災で被害を受けたが、美しさは健在
太平洋沿岸各地に未曾有の被害をもたらした、東日本大震災。
松島も被害を受けたものの、奇跡的に壊滅を免れることができました。
貴重な松の木も、津波に流されることなく現存しています。
松島は首都圏・仙台方面からのアクセスが良好で、毎年およそ300万人の観光客が訪れている場所です。
国内外問わず、幅広い世代に愛されているその風景を、ぜひその目に焼き付けてください。