インスタ映えする緑の静寂
静寂を感じる窓からの風景は、美しすぎてため息が出るくらい。
石川県和倉温泉にある青林寺(せいりんじ)の室内からの風景です。
皇族がかつて訪れた御便殿(ごべんでん)からの眺めが、インスタ映えする美しすぎる景色として、SNS上で話題となっているのです。
本堂での写経や坐禅体験も人気の、青林寺で静かなひと時を過ごしてみませんか。
和倉温泉の名刹 青林寺(せいりんじ)
石川県能登半島のほぼ中央に位置する和倉温泉は、1羽のシラサギによって発見されたと伝わる1300年の歴史を誇る温泉地です。
その和倉温泉の中心地から歩いて5分の距離に青林寺があります。
青林寺は曹洞宗の寺院で、曹洞宗は禅寺で、坐禅が有名です。
50段ある階段近くには駐車場があるのですが、道が狭く、車1台がやっと通れるくらいのため、温泉街から歩くのがおすすめです。
車は総湯(そうゆ)近くの無料駐車場をご利用下さい。
総湯とは、温泉旅館の外にある共同浴場のこと。温泉地にある銭湯をイメージしてください。
青林寺は、1892年(明治25年)に永光寺の末寺として開かれました。
ちなみに、永光寺は1312年(正和元年)に石川県羽咋市に開創された曹洞宗発展の歴史の中で、最も重要な地位を占める古刹です。
この青林寺の拝観は、金閣寺や法隆寺といった、京都や奈良の著名なお寺のように、
拝観料を払い、指定されたルートに従って、決められた場所を見て回るスタイルではありません。
お寺に事前に連絡して、タイミングが合えば、お寺の奥様が案内してくれます(拝観料は無料です)。
お寺の中に入るときは、事前に寺院に連絡するか、宿泊先の旅館フロントに訪れたい旨を伝えてください。
普通のお寺の日常を見ることができます。
法要があるときは、拝観することができないため、ご注意ください。
見どころは庭だけではありません。室内も豪華です。
絶景のお庭を見ることができる部屋は、「御便殿(ごべんでん)」といいますが、こちらの内装もお庭に負けず劣らず素晴らしいです。
宮内庁の木曽御用林のヒノキ材が使われており、折上げ天井には、匠の技を見ることができます。
反り返った部分は職人が手作業で木を曲げたといわれています。
「御便殿」は、かつて大正天皇が皇太子時代に和倉温泉を訪問した時に建てられた休憩所で、
以前は海沿いにあったのですが、建物の一部を移築して今の場所にあります。
皇族が使用した建物を見ることができるのは、日本で青林寺を含めて2か所だけ。
2017年には、国指定登録有形文化財に指定されました。
部屋の中央に置かれた黒塗りの座卓が水面のようになって、庭の緑が映し出されるリフレクション写真を撮りたい方は、
写経体験と御便殿拝観セットがお得です。
話題の写真はこちらです。
本堂で写経か坐禅を体験した後、住職の案内で御便殿を拝観できます。
大人気は座卓の上に水晶玉を置いて、庭を映し込む撮り方だそうで、住職から上手に撮るコツを教えてもらえるのが一番の目玉です。
天候や時間帯、水晶の置き場所など、条件がそろって初めてこのような写真は撮れるそうで、
コツを聞かないと、なかなか難しいようです。
写経体験と御便殿拝観セットは、2020年10月1日からは1500円になっています。
所要時間は約60分。2人以上から参加できます。
予約は5日前までに、和倉温泉観光協会へ申し込んでください。
住職手書きの御朱印をはじめ、御便殿ポストカード、非売品のわくたまくんタオルも付いてきます。
わくたまくんは和倉温泉のゆるキャラで、和倉温泉を見つけたシラサギが産んだ「たまご」なんですって。
また、縁側から眺める庭の風景は、四季折々に姿を変えて、見る者を楽しませてくれます。
お庭のあとは境内を散策
青林寺の裏山一帯は、公園になっています。
竹林が続き、森林浴が楽しめます。
竹林の小径を歩けば、鳥の声、笹の葉の揺れる音しか聞こえません。
思いっきり深呼吸してみましょう。
300段の階段を登ると、海が一望できる鐘付き台があります。
登るのは少し大変ですが、七尾湾を見ながら付く鐘の音でストレスを吹き飛ばしてください。
3回鐘をならすと、幸せが訪れるそうですよ。
鐘付き台からの眺めがこちらです。
青い海に架かるのは、能登島大橋です。
かもめが飛んでいるような形をしている橋で、白い橋と青い海のコントラストが美しい。
青林寺を訪れるなら七福神巡りはいかが?
実は、青林寺を訪れるなら、お得な方法があるんです。
それが、青林寺をはじめ、和倉温泉の名所を巡る「七福神福々めぐり」です。
七福神とは、福をもたらすと室町時代から日本で信仰されている神様の総称で、
大黒天(だいこくてん)、毘沙門天(びしゃもんてん)、恵比寿天(えびすてん)、寿老人(じゅろうじん)、
福禄寿(ふくろくじゅ)、弁財天(べんざいてん)、布袋尊(ほていそん)の7柱です。
「七福神福々めぐり」をするには、まず宿泊先の旅館で、用紙もらいます。
もちろん無料です。
そしてあとは和倉温泉街の中に点在する七福神の石像を巡るだけ。
温泉街には、七福神の石像と顔の輪郭付きのプレートがあります。
そのプレート上の顔の輪郭に、福々めぐりの用紙を押し付けてこすりましょう。
この写真の右側の柱の上に、プレートがあります。
7つそろえて、泊まった旅館に提出するとプレゼントがもらえます。
旅館によってプレゼントはさまざまですが、以前七福神巡りをした時は、輪島塗の箸を頂きました。
スタンプラリーに必要な用紙は、宿泊している旅館からもらうことになっています。
宿泊者以外でも和倉温泉観光協会で用紙を入手することができるのですが、
その場合、プレゼントはもらえないので、お気を付け下さい。
青林寺には、七福神の1つである布袋様の石像があるのです。
拝観した後で、スタンプラリーに参加すると、幸せも倍増するかもしれませんね。
青林寺の絶景を楽しめて、しかもお土産までもらえちゃう。
和倉温泉に泊まった方なら、こちらが断然オススメです。
もちろん七福神巡りをしていても、御便殿を拝観するなら、お寺への事前の連絡は必要ですから気をつけてください。
写経体験をする場合は5日前までに、和倉温泉観光協会へ予約を入れてください。
七福神福々めぐりの所要時間は約60分。
潮風に吹かれながら、和倉温泉の観光スポットをゆっくり巡る、なんていかがですか?