沖縄で道ジュネーを見てみよう
毎年旧盆の時期(8月下旬〜9月上旬)になると、沖縄のあちこちで太鼓の音と「イーヤーサーサ」という掛け声が響き渡ります。
沖縄では旧盆の3日間に、「道ジュネー」と呼ばれる伝統行事があるからです。
沖縄の人にとって、道ジュネーは1年のうちたった3日間しかない大切な行事です。
太鼓を鳴らし、掛け声をかけ、踊りながら町を練り歩き先祖の霊を慰める。
道ジュネーは地域が一体となり先祖に祈りを捧げるための、沖縄の人にとってなくてはならない伝統行事なんです。
私は2年間沖縄に住んだ経験があり、2度道ジュネーを見に行った経験があります。
演舞には先祖への熱い想いが込められているため、迫力満点。
心臓に響く太鼓の音や激しい踊りに、圧倒されたのを覚えています。
旅行で沖縄を訪れた方にも、ぜひ見てもらいたい、沖縄の人たちの思いに触れられる、魅力あふれる道ジュネーについてご紹介します。
そもそも道ジュネーとは?
道ジュネーとは、沖縄で旧盆の時期に行われる「エイサー」のことを言います。
といっても外国の方には、何が何やらわからないと思うので、ひとつ一つ言葉から説明して行きましょう。
まずは旧盆。
日本本土では8月13~16日の間に先祖を供養するための「お盆」という期間があります。
これを、別名「新盆」と呼びます。
しかし沖縄では歴史的な背景から、お盆を「旧盆」という日本本土とは違う期間で行っています。 ]
旧盆は新盆とは違い、毎年日にちが変わることが特徴です。
続いてはエイサーです。
エイサーとは沖縄から奄美地方にかけての独特の伝統芸能のことを言います。
先頭で旗を持つ旗頭や踊り手、太鼓打ちや唄い手が隊列をつくり、歌い踊るのが特徴です。
道ジュネーとは先祖の霊が帰ってくる日に、その霊を供養するための歌と踊りが一体となった伝統芸能のことを言います。
つまり、旧盆の3日間限定で行われるエイサーのことを、道ジュネーと呼ぶのです。
直径50cmはあろうかという大きな太鼓を鳴らしながら歌い踊る男性陣の迫力や、しなやかで華麗な女性陣の踊り。
見るだけで華やかな雰囲気に心が浮き立ちます。
道ジュネーを見るには?
道ジュネーは本来観光客に見せるためのものではなく、地元の人たちの風習として行われているものです。
そのため、場所や時間を大きく宣伝して行うところは少ないようです。
ただ、最近ならSNSで「青年会 道ジュネー」のように検索すれば、情報が出てくるところもあります。
また、道ジュネーが盛んな地域では町中に太鼓の音が鳴り響いています。
特に沖縄本島中部に位置する沖縄市は、道ジュネーが盛んな地域として有名です。
というわけで、今回は沖縄市で道ジュネーを楽しむ2つの方法をご紹介します!
「エイサーのまち」沖縄市コザ
沖縄市にはコザという町があり、「エイサーのまち」として有名です。
旧盆の期間は町中に太鼓の音が響き渡っています。
沖縄市の観光ポータルサイト「
コザウェブ」では、23個の町のエイサー情報を見ることができます。
これを見ると地域ごとに踊りや衣装が違うことがわかりますね。
様々な地域を回り、違いを楽しむこともおすすめですよ。
さらに、このコザならば、旧盆でなくても見る機会があります。
それは、旧盆が終わってすぐに3日間で行われる「全島エイサーまつり」です。
全島エイサーまつり
このまつりは旧盆ではなく、旧盆後すぐの週末に行われます。
沖縄中の様々な集落の演舞が一気に楽しめるのでおすすめです。
全国からたくさんの観光客が訪れているので、誰でも気軽に見に行くことができます。
このまつりは、全部で3日間に渡ります。
1日目はコザゲート通りで行われます。こちらは通りを練り歩く道ジュネー。
沿道から無料で見ることが出来ます。
2日目と3日目の会場はコザ運動公園です。
2日目は沖縄市のみの青年会が集まる「沖縄市青年まつり」、3日目が沖縄中の青年会が一気に集結する「本祭」として行われます。
こちらはチケット制です。
事前にネット経由で購入もできますし、当日券のみの自由席(1,000円)もあります。
地元のお祭感を楽しむなら初日。
イベントとして楽しむなら2、3日目という感じでしょうか。
もちろん3日とも楽しむ!という方法だってありです。
詳しくは、全島エイサーまつり実行委員会オフィシャルサイトを見てくださいね。
魂の震える道ジュネー
沖縄の人は胸がドキドキすることを、「チムドンドン」と言います。
沖縄の人にとって道ジュネーは、チムドンドンする瞬間なのです。
地域の人と一緒に、心臓に響く太鼓の音や迫力のある演舞を楽しんでみてください。
チムドンドンすること間違いなしです。