輪島の朝市、わざわざ訪れる価値がある
旅先の人々の暮らしぶりや食文化を体験することは、大きな旅の楽しみの一つですよね。
東京なら、豊洲市場のマグロのセリなんかも訪日外国人に人気です。
その国の人々の、観光向けでないリアルな息遣いを感じられるのが魅力なんだと思います。
輪島の朝市は、岐阜県高山の朝市や、青森県八戸の朝市と並んで日本有数の朝市の一つ。
地元の漁師や農家の奥さんたちが自分たちで採った海産物や農産物を、露店に並べて売っています。
およそ360mにわたり、200軒の出店がずらりと並びます。
朝どれの海産物や、海の幸の加工品、収穫したばかりの野菜や、自家製のお漬物、さらには工芸品など驚きのラインナップ。
日本に数ある朝市の中でも、規模も大きく雰囲気も最高なんです。
日本海側にあり、ちょっとアクセスは悪いですが、この朝市を楽しむためにわざわざ訪れる価値があるほどオススメなんです!
輪島はどこにある?どんなところ?
石川県の輪島は、日本海に突き出た能登半島の先っぽにあります。
東京、または大阪からは新幹線か特急で、さらに金沢でバスに乗り換えて、合計5時間ほどかかります。
とても「田舎」です。
輪島の周辺には、海に山に日本の原風景がいっぱい残っています。
一方で、輪島自体は昔から日本海を巡る交易船の重要な寄港地として栄えてきました。
輪島の代表的な伝統工芸品である輪島塗(漆器)も、そうした交易によって育まれてきたものです。
かつては、文化の中心であった京都と航路による行き来が盛んだったために、文化的にも発展していました。
朝市の近くには石川県輪島漆芸美術館もありますので、輪島塗や輪島の文化に興味がある方は、こちらもぜひ。
また周辺の海は世界有数の豊かな漁場として知られ、カニ・ブリ・フグ・アワビ・サザエなど四季を通じて日本の海の幸を代表する美味を楽しむことができる場所なんです。
輪島の朝市とは?
平安時代、すなわち1,000年以上前の文献に記録が残っており、現在まで続いている市場としては、世界でもおそらく最古級の一つでしょう。
神社やお寺の祭礼日に生産物を持ち合って物々交換していたのが起源だそうで、徐々に定期的に開催されるようになりました。
現在は月2回の休日を除いてほぼ年中開催されています。
大きな建物内に店が集まっているのではなく、昔ながらに道路に出店者が露店を設けて営業しているスタイルが特徴的です。
360m続く「朝市通り」は港のすぐ近く。
汐の香りを感じながら買い物ができ、ライブ感抜群です。
輪島の朝市の楽しみ方
営業時間は毎日8:00~12:00。
訪問時間のおすすめは、やはり採れたての新鮮な魚介類・農産物・花が並ぶ営業開始直後でしょう。
朝早いほど空気が綺麗なため、写真映えもバッチリです。
朝市通りの北側すぐそばに、駐車場と金沢からの特急バスの終点「輪島マリンタウン」があります。
輪島マリンタウンには観光案内所があるので、まずは「朝市マップ」をゲットしましょう。
なお駐車場は、三連休以上の観光ピーク期以外は、さほど混雑の心配はいりません。
輪島マリンタウンから、錦川通りを南に歩くと2分ほどで朝市通りの入り口です。
300mほど続くまっすぐな道路の突き当りから、左に曲がっていろは橋の袂までが、両側に露店や商店が並ぶ朝市通りです。
L字型の通りと考えてください。
買い物客も数多く行き交っているため、片側ずつを往復してじっくり見ていきましょう。
1~2時間ほどで充分楽しめます。
売っている商品は、本当にいろんなものがあります。
魚介類の生もの、干し魚、海苔、野菜、果物、花といった食料品に加え、漆器や箸といった伝統工芸品、Tシャツやタオルといった衣料雑貨まで、
輪島ならではの魅力的な商品が目白押しです。
私は板海苔を買って、その日のホテルのビールのおつまみにしました。
都会のスーパーで買う海苔では絶対に味わえない、ナチュラルな磯の香りが、旅の夜の愉しみをバッチリ盛り上げてくれました。
500円ほどで買えてコスパもバッチリです。
露店には、その場で食べられるグルメもあって、魚介類を塩や醤油で網焼きしたものがおすすめです。
私が訪れた初夏では、イカの串焼きを多く見かけました。値段は1本300円。
串刺しにほおばりつくと、醤油が食材の真の魅力を見事に引き立ていることが瞬時にわかります。
それも味覚・嗅覚だけでなく五感のすべてで。
「来てよかった」と本当に感じることができます。
ちなみに、すぐそばビーチで買ったものを味わうのもおすすめ。
開放感と一緒に絶品を味わえます。
周辺には飲食店も多数あるため、刺身や煮物・鍋といった本格的な海鮮料理も楽しめます。
朝から営業しているお店もあります。気分に応じて使い分けてください。
東京や大阪など大都会では体験できない「鮮度」をたっぷりと体験できます。
グルメは絶対にはずせません。
視覚・嗅覚・聴覚でノックアウトされること間違いなし!
日本の田舎のすすめ
能登半島や輪島は、新幹線・飛行機で気軽に行きにくいところにあるため、観光産業をとても大切にしています。
WebやSNSの情報発信、外国語表記などに一生懸命取り組んでいます。
行くまではアクセスが悪くても、朝市と併せて回ってみたい観光スポットがたくさん。
・里山の原風景を感じさせる「白米千枚田」
・日本の禅宗のふるさと「総持寺」
・日本一の温泉旅館・加賀屋がある和倉温泉
・「能登島大橋」のような最高のシーサードビュー
どれも、能登だからこそ残っている、出会える風景ばかりです。
ぜひ、わざわざ出かけてみてください。